便利な世の中

「それにしてもコレが出来たおかげで、また便利な世の中になった」

「初めはかなり抵抗があったけどね。」

「なんといっても、時間が増えたことが画期的。今までは1回に5分。長いと10分。それを1日に多い時で3回だったから最大で30分浪費していたことになる。それを回収出来たのだからすごい発明だよ」

「普通1日2回くらいだろ。それでも20分か。約1.4%の割合になるね。人生80年と考えたら、かなりの回収が出来ている。」

「時間だけじゃない。俺たちがこうして話をしていても、途中で遮られるという事は少なくなったよな。」

「つまりコミュニケーションを円滑にしたとも言えるわけだね。コレは。」

「これほど素晴らしい発明が身近にある事を、いままで軽視していた自分が情けない。」

「いや、まだ反対派もいるようだから、抵抗があっても仕方ないよ。僕も最初はかなり抵抗があったし。」

「そうそう。固体の衛生的な面をクリアしなければ利用者は増えなかったはず。衛生面のクリアが衝撃的で革命的で世界をあった驚かせたんだよな。」

「洗浄するのではなく、初めから汚れないように差し込むという発想が凄いよね。汚れが生まれるプロセスを見直せばそういう結果になるのだと思うけど、長い歴史の中でここに着眼した事が素晴らしいよ。」

「移動中や会議中、買い物をしている時なんかに実感するんだけど、以前の自分がこんな事で悩んでいたのかと笑いたくなるくらい清々しい気分になるね。」

「分かる分かる。俺はイベントに行ったときにホント良かったと思ったな。だってもう並ぶ必要もないしね。」

「それにしても、使用後のコレはいったいどうなるんだ」

「おや、知らないのか。使用後のコレはそのまま肥料として使えるんだよ。完全なサイクルを産み出しているともいえるのさ。」

「ますます凄いな。反対派がいるとは信じられない。」

「一度着けてみれば分かるのになぁ。おっと、そろそろ交換しないと。今日は多いみたいなんだよ。」

「あ、じゃぁ、俺も」

といって二人はかつてトイレだった更衣室に向かった。
おしめを替える為に。